道場タイムライン

第3回「日本の政治に希望はあるのか?」

平成22(西暦2010)年6月2日

ゲスト:総務大臣 原口一博・衆議院議員 城内実(肩書は当時)


◆前半その1(1/4)

01:00~

笹幸恵/道場心得について

一、「道場」は切磋琢磨の場である。

一、「道場」はお客様ではなく志高き者の共同作業の場である。

一、話をきく、理解する、話者の立場・意見を尊重する。

一、目的化した自己主張や議論のための議論の場ではない。

一、礼節を重んじ 互いの向上のために語り合う。

一、笑いなきところに希望はない。

 

06:30~

小林よしのり/大臣がゲスト、これは異例なこと。普通大臣といったら五千人も一万人もいるところに15分いたら帰ってしまうのに、100人弱の道場にきてくれる。原口大臣は自分の話は10分でいいから会場の意見をたくさん聞きたいと言っている、ありがたいことだ。

 

9:20~

高森明勅/日本の政治に希望はあるのか?という大きなテーマ。政治の希望とは、政治家と国民が一緒に作っていくもの。

小林よしのり/どんな政治家が現れたら自分たちの閉塞感を吹き払ってくれるのか?

原口大臣は理論や理屈を超えた「情念による説得」がある。

単に理詰めの説得では人を納得させることはできない。政治家の資質としてあるのではないか。

 

15:50~

原口大臣/明治5年、私たちの先祖が3つのことをやりなさいと言った。

歩いて行ける距離のところに

橋を作りなさい。(治安、安全が大事)

郵便局を作りなさい。学校を作りなさい。

私たちは20年間経済成長していない。

世界はルールにおける競争を戦っている。1980年代世界の10大銀行の内9は日本の銀行だったが、BIS規制により銀行は自己資本比率8%持っていなければ世界に出てはいけないということになった。日本の銀行は薄利多売だからその資金は国内に戻ってきた。このあとバブル(崩壊)。

ドイツは60年間、徐々に戦勝国が介入できないよう独自の安全保障路線を作っていった。

安全保障は現実の危機にどう対応するか?安全保障が2分している国は弱い。ロシアサンクトペテルブルグの歴史資料館には北方領土は日本の領土と書いてある。

歴史を学ばなければ国を守ることができない。未来を拓くこともできない。

右か左か、保守か革新か、お互いがけんかする国は弱い。安全基本法を作った。安全保障は最大の福祉だ。国家の独立をめざそう。

小林先生は人をはじかない。

失敗の苦さを知った人間は二回同じ失敗をしない。

松下幸之助さんに育てられた。エリート主義者じゃなかった。人を生かすのが政治家。小林先生のスピリットをここの皆は配らないといけない。

障害はその人が持っているものではない。社会が持っているものだ。できないことが問題なのではない、できることが大事。

日本人としての誇り、歴史を学んでほしい。

◆前半その2(2/4)

00:43~

小林よしのり/民主党が左翼というが国民はそこに関心は持っていないのではないか?

国民の方が感性は鋭いのかもしれない。

加藤紘一とは敵味方の関係だったが話してみると違ってくる。

イデオロギー衝突だと余地がなくなってしまう。

原口議員に聞きたいこと:

新しい公共という概念、道州制には反発を覚える。

県ごとに自慢話があるのに道州制でくくるのはどうなのか?

Q「地域主権」が実現できるほど「民」は優秀なのか?

Q「地域主権」で失敗したら、「自己責任」で切り捨てられる?

Q「官から民へ」の考え方は小泉構造改革と似ていないか?

Q「地域主権」「民主主導」は思想的には丸山眞男の「個の確立」まで遡る感覚ではないか?

Q日本において「個人」は確立できるものなのか?

雑誌は人気連載が3本あればやっていける。わしは自分が柱になる気持ちで雑誌に描いている。

 

09:30~

原口大臣/明治・昭和の合併は教育が中心=歴史的・社会的な一体性が中心。

平成の合併は財政が中心だった、お金がないから。

日本は歴史的に官によった国ではない。それぞれの地域が地域で自立していたのが日本。

官僚機構に過度に集約してきた。

「指示待ち症候群」をやめれば地域はすぐ甦る。

自立さえすれば日本はいくらでも甦る。

教育を入れるか入れないかで小泉構造改革との決定的な違いが生まれる。

 

17:30~

質疑応答Ⅰ

質問者1(男性)/文部科学省が「こころのノート」という冊子を配っている。日教組の働きかけで廃止に向かう動きがあるが、原口大臣の教育に対する考えを伺いたい。

質問者2(女性)/原口大臣の熱意は感じられたが、政策を理解するのは難しい。人柄で決めるという人がいるが何を基準にして投票すべきか?

質問者3(女性)/小中学校が崩壊していて授業ができず、塾で学んでいる現状がある。

この問題をどう原口大臣はお考えか?

質問者4/(女性)/日本の成長を感じたことがない。この先日本が目指すべき姿や目標とすべきものは何か?

質問者5/(男性)/電子機器の悪影響がよく言われるが、原口大臣が推進するブロードバンドによる教育とはどういうものか

 

24:00~

原口大臣/質問1に対して

廃止の動きについては知らない。心のノートには改善が必要なのではないか?文科省にか確認する。

 

質問2に対して

20歳で政治を学ぶのは遅すぎる。民主主義は国民に学びを要求する。自分が国を作る視点で投票してほしい。

 

質問3に対して

歴史、地域の学びが足りていない。

 

質問4に対して

北東アジアにはまだ冷戦がある。日本を安全保障の要の国、独立国家にしなければならない。

 

質問5に対して

電磁波の問題があるが、総務省では人間が中心の機器を広げていきたい。

◆後半その1(3/4)

城内実議員/お招きありがとうございます。

日本に公共精神がなくなってきているのではないか。幼少期はドイツで過ごした。

 

18:00~

質疑応答Ⅱ

質問者1(男性)/介護士です。介護の問題ついて、具体的にどのような対策を考えているか

質問者2(男性)/教員です。教育改革は常に中身が伴っていない。真に自信と誇りを持てる教育のためには、何が必要か。

質問者3 (男性)/北海道出身です。北方領土を取り戻す意志はあるか?また、その具体的・現実的方法はあるか?

質問者4(男性)/原口大臣を応援したいが、具体的にどう応援すればいいか?

質問者5(女性)/原口大臣・城内議員の女性観・結婚観は?

 

28:40~

原口大臣/

質問1に対して

公費の割合を増やすしかない。医療と介護の一体化が必要。

 

質問2に対して

先生の置かれる立場を変える。フィンランドは子供に向き合っている。先生が自由である。

免許更新の講義を聞いたが懲罰的だ。

 

質問3に対して

日本の政治の意思がロシアに伝わっていない。伝えなければいけない。

 

質問4に対して

狭い日本で排除の論理は必要ない。分断するリーダー、言葉を減らしてください。

 

質問5に対して

女性の頭の上にはまだガラス(の天井)があるとおもう。それは男性がどうにかしないといけない。父親として子供一人一人を見つめるように心がけている。

◆後半その2(4/4)

城内大臣/

質問1に対して

本来ならば子供が親の世話をするべきではないか。地域共同体ですべきではないか。

 

質問2に対して

日本人が歴史を語ることができるような教育が必要

 

質問3に対して

外務官僚の時橋本総理の通訳をしていた。ドイツ首相がエリツィンに北方領土の仲介するような発言があり、議事録に残した。

 

質問5に対して

選挙に勝てたのは女房のおかげ。外務省を辞めて政治家を志したが女房が家を出て行った。

 

14;20~

原口大臣/皆さん、報恩を大事にしてください。小林さんという稀有なリーダーに接することは誰もが得られるものではない。天命の予兆はいたるところで感じられる。

御恩を頂いたならば返さないといけない。

今、多くは排除の理論。誰かひとりを排除すれば、世の中の半分以上を失います。

 

17:45~

城内議員/どの思想にも真理がある。敬神崇祖尊皇愛国 神様を敬い、ご先祖様を大切にし、皇室を敬うことを大事にしてください。

 

22:00~

原口大臣・城内議員退場 

笹幸恵/先生方総括をお願いします。

宮城能彦/ネットの世界では誹謗中傷が多いがお互いが成長しないのではないか。

高森明勅/お二人には誠実にお答えいただいた。末次一郎が沖縄返還・北方領土問題に尽力した話もされていた。

堀辺正史/感動しました。ゴー宣道場の特質が出ていた。皆さんが知っている原口大臣は、「テレビタックル」の原口大臣だと思います。肝心の発言をカットされたり、どうでもいいところが放映される。メディアが実際の人物と違うイメージを与える。生の人物と会って判断することが大事。人が大事、人がどうあるべきか。両議院とも排除はいけないといっていいた。ヤマトの「大和(だいわ)」はそういう要素を持っていた。原点に帰る。

小林よしのり/政策で判断できなくても、人柄で判断して良いのか?について、学ぶことが大切であるが、精査していくことはやはり難しい。郵政民営化が良かったか悪かったのか未だにわからない。それを政治家はできているのか?菅直人首相が第3の道があると言っているがしてもらわないとわからない。

公論の「核」をここで作ろう、それが徐々に大きくなっていく。信頼できる人間をつくるところから始めよう。数を誇示して正当性を訴えるやり方はやめたい。少数だが公論の核がある。これで日本を変えられると思っている。城内議員は帰国子女だからこそ愛国心が強い。雑誌は政治家の悪口を書かないと売れない、商業誌の宿命。「ナショナリズムさえ強硬に訴えれば保守」という発想はそろそろ卒業しよう。